—うどん屋を始めようと思ったきっかけは何でしょうか？

幼少の頃から漠然と飲食店をやりたいとの思いがありました。
野球に専念してきたので、アルバイト等の経験もなく他に何もしたことがなかった自分が、最初に携わったのがうどんの仕事でした。
プロ野球から引退した後、知り合いの紹介で宮崎県のうどん店で働いたことがきっかけとなりました。

▲厨房にいる條辺さんは、元プロ野球選手だけあり、大柄で存在感がある。たくましい腕がうつからこそ、弾力のあるコシを出せるのだろう。

—宮崎県のうどん店で働いた後、香川県の[中西うどん]で1年半修行されたそうですね。

中西うどんでは、朝の5時半にオープンして16時に閉店し、それから仕込みをする毎日。元野球選手とはいえ、立ち仕事が大変でした。足がむくみました。

—[中西うどん]でのエピソードはありますか？

中西の社長はとても面倒見がよくて温かい人です。

2008年4月に[讃岐うどん條辺]をオープンした時に、[中西うどん]を休んで、わざわざ香川県から社長と奥さん、パートさんの4人で来てくださって、オープン初日と二日目を手伝ってくださいました。

今でも旅行にご一緒させていただいたりもしています。今年は3月に伊勢へ行きました。

—法人名【株式会社むぎ】の[むぎ]の由来は何でしょうか？

[むぎ]は愛犬の名前。選手時代から飼い始めた犬です。

–お客様に接するときに、気を付けていることや心がけていることはありますか？

セルフ形式の店なので、お客様が来店した時に、明るく接することを心掛けています。「いらっしゃいませ。」「ありがとうございます。」の挨拶は元気にするようにしています。

▲セルフ形式の店内。カウンターを順次移動しながら好きな揚げ物を選び、うどんの注文をしてお会計まで済ませる。客席数は22席。

–他店には負けないというような強みや売りなどを教えてください。

特に強みや売りなど意識はしていません。お客様に気軽に来てもらいたい一心でやっています。
ふじみ野市は武蔵野うどんが多いので、讃岐うどんが少ない分、それが売りとなっているかもしれません。

▲担当者が注文したのは、とろたまぶっかけうどん・いか天・げそ天・たまご天。
カリッとあげられた天ぷらは、どれも大きくて衣がさっくさく。特にげそ天は、食べ応えも歯ごたえも良かった。

▲私が注文したのは、ぶっかけうどん・じゃがいも天・かしわ天・いか天。
ぶっかけうどんはつやがありコシがしっかりしていて、大きめのレモンと大根おろしとの相性がたまらない。
北海道生まれの私は、じゃがいも天のほくほくさに感動した。

–うどんの魅力は何でしょうか？

手を抜かなければやった分だけそのまま返ってくる。やった分だけおいしいものができるんです。
麺作りは、たたんで踏んでたたんで踏んでの繰り返し。体力がないと続かないです。

–おすすめのメニューは何でしょうか？

かけうどん。とろたまぶっかけうどんも是非。秋・冬限定のしっぽくうどんもご賞味ください。

▲店の入り口横にあるメニュー。本場仕込みのうどんが並んでいる。

–事業をしていて、一番嬉しかったことは何でしょうか？

毎月、給料をもらえることです。自分の好きなことでお金をもらえるのは素敵なことだと思っています。

–逆に、事業をしていて、苦労したことはございますか？

お客様が入らない時でしたね。
オープンしたばかりの頃はお客様が入らなかったです。

▲店内には、読売ジャイアンツ終身名誉監督である長嶋茂雄氏のサインが飾ってある。のれんの[條辺]の字も、これを染め抜いたもの。
今でも、野球関係者が店に顔を出してくれることもある。

–今後の展望を教えてください。

この場所で、このうどん店を続けていきたい。成功ばかりを思い浮かべて生きていけないと思っています。
自分の子供には好きなことをやってほしいと思っているので、子供に継がせるつもりは今のところ考えていないです。

–山口会計を選んで良かったところはありますでしょうか？

担当者の人柄が素晴らしいです。
「仕事に集中してください。」と本業に専念できるように配慮してくださる。財務処理を安心してお任せできます。

▲山口会計の担当者との打ち合わせの様子。会計上の数字の説明をしたり、税金や経営の相談を受けたりする。