ゴルフ・リゾート会員権売却損、所得控除の対象外に ?
2013-11-29
平成25年11月29日の日本経済新聞の朝刊に同記事
が記載されていました。
まだ、検討に入った段階ではありますが、注目すべき内容です。
【1】内容を抜粋しますと、
政府・与党は28日、ゴルフ会員権やリゾート会員権の売却で生じた損失を、
2014年度から所得控除の対象としない検討に入りました。
バブル期に高値で会員権を購入した人などが影響を受けそうです。
【2】現在の取扱い
生活に必要とされる資産は売却で損失が出ると、
その年の所得から差し引いて所得税を計算することが認められています。
これまでは、ゴルフ会員権やリゾート会員権も対象でした。
会員権の売却価格から取得費や売却手数料などを差し引いて損失が出た場合は、
他の所得(給与等)から差し引くことができたので、
売却年分の個人の所得税・住民税が削減できました。
これはゴルフ会員権等を親から相続した場合も取得価格
が確認できれば控除が認められています。
【3】改正検討の経緯
現在の売却損を所得から控除することについては、通常の生活に必要無い
とされる別荘や古美術品、貴金属は対象となっていません。
財務省は以前からゴルフ会員権やリゾート会員権も生活に必要無い
贅沢品だとして、対象から外すよう要望してきた経緯があります。
ただ、業界団体などの反発もあって見送られてきました。
実は毎年税制改正の議論のなかで議題にあがっていたものです。
今回はこれをより具体的に進める方向に読めます。
【4】注意点
もし含み損のあるゴルフ会員権やリゾート会員権をお持ちの場合は
平成25年度中に売却を検討しないと、損益通算は今後できなく
なる可能性があります。
もちろんまだ改正案の状態であるので確定的なことは言えませんが
政府が早ければ2014年度からの実施を目指す。と考えている以上
注意しなければなりません。
ただ平成26年3月頃の税制改正決定を受けて、平成26年1月に
遡って遡及されるかどうかは疑問ではあります。
また業界団体などから反対論が出る可能性もあります。
2014年度・年度と記載しているので4月から施行?
とも読めます。
いずれにしろ将来は損益通算できなくなることは予想されます。
対象財産をお持ちの方はここで検討してもよいと思います。
山口