月刊 山口広記

お客様とのコミュニケーションを大切にする所長・山口の税金とお金と経営の話

倒産防止共済制度

2015-07-29

この共済の仕組みは、中小企業者が掛け金を積み立てることで、

万が一取引先が倒産などした場合、

積み立てた金額の10倍の範囲内で回収が困難となった

売掛債権範囲内の貸付を受けることができる制度です。

借入に対する金利は無金利ですが、

払いこんだ掛金から借入れをした金額の10%が控除されます。

基本的には、取引先が倒産などして、

本来入ってくるはずだった売掛金(売上)が入ってこなくなる

ことによる連鎖倒産 を防止するという共済制度になっています。

【1】加入資格

1年以上継続して事業を行っている中小企業者

(会社又は個人の事業者)で一定の条件に該当する方です。

※一定の条件とは業種毎に違います。

①「資本金の額または出資の総額」

②「常時使用する従業員数」

のいずれかの条件に該当する必要があります。

【2】掛金(加入のメリット)

掛金月額は、5,000円から20万円までの範囲(5,000円刻み)

で自由に選べ、掛金総額が800万円になるまで積み立てられます。

掛金は税法上、法人の場合は損金、

個人の場合は必要経費に算入できます。

【3】共済金について(加入のメリット)

加入後6ヶ月以上が経過して、

取引先事業者の倒産によって売掛金債権等が回収困難

となった場合に、最高8,000万円の共済金の

貸付けが受けられます。

【4】契約者貸付制度(加入のメリット)

取引先事業者に倒産の事態が発生していなくても、

解約手当金の95%の範囲内で臨時に必要な事業資金の

貸付けが受けられます。

【5】解約手当金について

共済契約者は任意に解約することができます。

また、12ヶ月以上の掛金を払い込んだ方には

解約手当金が支払われます。

40カ月以上の加入で返戻率は100%となります。

【6】加入のデメリット

①元本割れのリスク

40カ月未満の解約時には手数料がかかります。

12か月未満:返戻率0%

12~23カ月:返戻率80%

24~29カ月:返戻率85%

30~35カ月:返戻率90%

36~39カ月:返戻率95%

1年以内は返戻率0%となる点に注意が必要です。

②共済金受取時に課税される

積立時には節税できるが、戻ってきた共済金に課税されます。

つまり「課税を先送りにできる制度」となります。

将来、共済金(解約手当金)を受け取った際には、

受け取った金額は雑収入となります。

よくあるパタ-ンとしては、解約のタイミングと

事業者の退職のタイミングをあわせて、

結果的に課税されないようすることが多いです。

 

上記のように将来連鎖倒産のリスク回避及び

退職金の財源準備に役立つ制度といえます。

ご興味のある方はいつでも御相談下さい。

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